種類の違うふたつの相が接している境目(界面/表面)に吸着し、その界面張力を大きく低下させることができる物質のこと。分子の中に、水となじみやすい部分(親水基)と、油となじみやすい部分(親油基/疎水基)を併せもっており、水にも油にも溶けることができる。親水基の性質によって、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の4種に分けられる。
水にも油にもなじめる性質は、油汚れを落とす洗浄、水溶性物質と油溶性物質を均一に混ぜあわせる乳化や可溶化などに役立つ。また、物質の界面張力を低下させる性質は分散や起泡(あわを作る)などに利用される。そのほか、湿潤、帯電防止、殺菌、粉体の表面処理、染料の固着などのはたらきもある。これらの作用は、すべて臨界ミセル濃度(cmc/critical micelle concentration)以上の濃度になったときに現れる。