皮脂腺で作られ、皮表脂質の12%を占める脂質。深海ザメの肝油にも多く含まれる。ヒトの皮脂膜の成分となって肌を保護する一方、紫外線によって酸化されるとハイドロパーオキサイドという過酸化物になって細胞膜を傷つけることもある。分子構造の中に炭素の二重結合(注1)が6ヶ所あり、その部分が酸化されやすいため化粧品への配合は難しい。二重に手を握り合っている炭素の手の一本に水素をひとつずつ持たせて(水素添加)二重結合をなくし、飽和の炭化水素にしたのがスクワランという物質。これは性質が安定しているので保湿オイルや化粧品の原料などに広く利用されている。
(注1)二重結合については脂肪酸の「不飽和脂肪酸」を参照