グリセリンと共に脂肪を作っている物質で、皮脂をはじめ天然の油脂、ろうなどに多く含まれる。炭素と水素が鎖のようにつながった炭化水素基の端にメチル基(CH3-)が、もう一方の端にはカルボキシル基(-COOH)がくっついているのが特徴。炭素の結合のしかたによって大きく二種類に分けられる。
- 飽和脂肪酸
-
炭化水素基内にある全ての炭素原子がほかの原子と単結合(原子がお互いに一本ずつ手を出して握り合う)している脂肪酸。1個の炭素原子が持つ4本の手が全て単結合でふさがっている飽和状態なのでそれ以上反応が起きにくく、性質が安定している。
- 不飽和脂肪酸
-
炭化水素基の一部に、炭素同士が2本もしくは3本ずつ手を出し合って結び付いている部分(二重結合・三重結合)を持つ。このような多重結合は反応性が高い(ほかの物質と反応しやすい)ため酸素など他の物質に割り込まれやすく、そのため酸化などの変質が起こりやすい。