保湿を目的として用いられる薬剤のこと。スキンケア化粧品の主要な成分のひとつ。角質層がもともと備えている保湿機能をサポートし、肌が乾燥するのを防ぐ。
肌表面に「フタ」をして水分蒸発を抑えるはたらき(エモリエント効果)を持つエモリエント剤と、角質層成分となじんで水分保持をするヒューメクタントに大別される。この両方の特徴を併せもつものもある。実際の製品づくりでは、いくつかの保湿剤を組みあわせてそれぞれの欠点を補いあうよう調合することが多い。
ヒアルロン酸やコラーゲン、タンパク質加水分解物など吸湿性が高い高分子類も保湿剤として利用される。高分子は分子数が多いため角質層内部には浸透しにくい。その代わり、皮膚表面に湿り気のある膜を張ることで肌に水分を与えつつ、角質層内部からの水分蒸発を抑える。その意味ではエモリエント剤の一種ともいえるが、高分子の膜は小さな穴がたくさん空いていて破れやすいのでワセリンやオイルほど「フタ」としての機能は高くない。
詳しくは、読んで美に効く基礎知識本文「保湿剤」参照のこと。