アミノ酸代謝物のひとつ、ピロリドンカルボン酸のこと。NMF（天然保湿因子）の約12％を占める重要な成分。ケラトヒアリンがターンオーバーに従って肌の表面に近づくとフィラグリンというタンパク質になり、それに最も多く含まれるアミノ酸であるグルタミン酸が酵素によって代謝されてできる。表皮中にあるPCAのうち、97％は角質層に集中している。ピロリドンカルボン酸の形ではあまり保湿力はないが、弱酸性の皮膚ではピロリドンカルボン酸ナトリウムという保湿力の大きい塩（えん）（注1）の形で存在し、同じくNMFの一成分であるプロリンと連携して保湿に大きな役割を果たしている。

注1：塩（えん）とは、酸の陰イオンと塩基の陽イオンがくっついてできた化合物のこと